秋のうろこ雲、いわし雲、ひつじ雲、さば雲などはなぜ他の季節に見えない?

秋といえば、澄み切った高い空に、

 『うろこ雲』、『いわし雲』、『ひつじ雲』、『さば雲』 などなど...

言い方は色々ありますが、様々な形の雲を見ることができます。

しかし、なぜこれらの雲は、秋になると頻繁に目にしますが、
他の季節ではほとんど見ることができないのでしょうか?

今回は、うろこ雲などがどのようにできるかというのと絡めて、
うろこ雲などが春、夏、冬にはあまり見れないのはなぜか、
ということを書いてみたいと思います。


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うろこ雲

【うろこ雲などができるメカニズム】

こちらの記事
 ⇒ うろこ雲やひつじ雲は、地震や雨の前兆だと言われるけど本当はどうなの?
でも少し書きましたが、

うろこ雲やいわし雲などと呼ばれる雲は、

上空5,000~13,000mの高さで発生する『巻積雲』、

ひつじ雲やさば雲などと呼ばれる雲は、

上空2,000~7,000mの高さで発生する『高積雲』のことです。


うろこ雲などは、雲が細かくちぎられたような形をしていますが、
このような雲ができるとき、上空では、

上昇した空気があるところで冷やされて下降する

対流がいくつも発生しています。


この対流のことを『ベナール対流』と呼ぶのですが、
これによって、うろこ雲のような形になるわけです。


このようなベナール対流は、
上空の空気が入れ替わっているときに発生しやすくなります。

高気圧が抜けて、前線や低気圧が接近しているようなときです。


つまり、春や秋のように、

移動性の高気圧によって天気が移り変わる季節には、

このようなベナール対流が発生しやすいようです。


【秋の空が高いと言われる理由】

とはいえ、うろこ雲などは、

基本的に年中発生しているようです。


しかし、うろこ雲などは上空の高いところで発生するため、

そのような雲が見えるのは、『高く澄んだ秋の空』だということです。


他の季節では、なぜ発生したうろこ雲などが見えにくいのか?というと...


まずは春ですが、

春の空というのは、『黄砂』に代表されるように、

空気中にチリやホコリがたくさん存在します


それによって空気が霞んでしまい、巻積雲や高積雲のような、

比較的高いところに発生した雲は見えにくいんですね。



続いて夏の空はというと、

上空が、湿った『太平洋高気圧』で覆われているため、

空気中に水分が多く、空の透明度が低くなってしまいます


そのため、やはり上空高いところの雲は見えにくくなります。



最後に冬の空ですが、

日本海側では、雪を降らせる『低く、重たそうな雲』が垂れ込め、
高い空は見えません。


逆に太平洋側では晴れることが多く、空気も乾燥しているため、
条件が整えば、うろこ雲なども見えたりすることがあるようです。


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